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zoom RSS 第五章 キスの神経解剖学

<<   作成日時 : 2007/10/06 13:28   >>

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キスという行為ほど、脳と脳の結び付を我々に想い起させるものは無い。
見るだけで相手の感情を共感できるのだが、それをもう1つ一体感を増したいとお互いが感じあい、それを共感した時「裏の回路」が働き、唇と唇を重ねる。
目には、受止めた情報を脳の中での共感に関る中心部分である眼窩前頭皮質に直接投射する神経もある。
目と目を見詰合った時、雅に2人の眼窩前頭皮質は連結される。
結果として、互いの心の状態を敏感に受止め、認識したといえる。
眼窩前頭皮質は、「思考する脳」と呼ばれる皮質、「感じる脳」として様々な情動反応に関る偏桃体、自動的な反応を司る「爬虫類の脳」である「脳幹」、という3つの主要な部分を神経で結びつける。
この緊密な結び付により、思考・感情・行動の迅速且つ強力な連携が可能となる。
眼窩前頭皮質は脳の皮質と皮質下が出会う重要な位置を占め、周囲の状況を解釈する中枢として機能するのみならず、内的及び外的経験を統合し即座に計算し意思決定に関る。
難しい人間関係に対する方向付け(感情形成)に眼窩前頭皮質が深く関っている。
そして他の「裏の道」の神経回路と協調してキスに至る。
「裏の道」のスピード
全ての人間関係の大部分は初対面の印象で決まると言われる。
即断を下す働きの大半を紡錘細胞と呼ばれる神経細胞が担う。
紡錘細胞は、眼窩前頭皮質と注意の方向を決め、思考・情動・身体反応の働きの統合を司る前帯状皮質(大脳辺縁系の一番上の部分)を結び、ある種の神経指令センターの役割を果している。
ここから脳内の様々な部分に伸びる軸索を通じて、セレトニン・ドーパミン・バソプレシンの受容体を多く持つ紡錘細胞が発する愛情・快楽等、様々な気分(快不快を問わず)が運ばれる。
これにより、人間の感情を強く受ける時、眼窩前頭皮質が活性化して共感が生まれる。
前頭部の深いところにある細胞群である前部帯状回の一部にも紡錘細胞が密集しており、ここでは顔に情動を著したり、他人の表情から情動を読取ったりして、情動を喚起したり情動に起因する判断を最初に下す偏桃体と密接に繋がっている。
これらの超高速ニューロンである紡錘細胞群は「裏の道」を形成し、人間社会を航行する為の誘導システムとして重要である。
彼女が見たものを自分も見た
紡錘細胞群の働きでラポールを築いた者同士は無言の会話をする事になる。
紡錘細胞群は相手の表情を読取り、そこから発する情動を表情にする。
その往復は、重要な事柄まで阿吽の呼吸を形成する。
一連の脳の活動は、まず帯状回が関って素早い判断を下し、それが紡錘細胞を経由して連絡の緊密な部分(特に眼窩前頭皮質)に伝わり、「裏の道」のネットワークが始まる。
これに「表の道」の働きが加わって阿吽の呼吸に繋がる訳だ。
眼窩前頭皮質と帯状回を繋ぐ回路は全ての経験から好悪を判断し、数多くの可能性の中から最善の反応を選択するのに力を発揮する。
その間、僅か0.5秒である。
眼窩前頭皮質は、状況等のデータを参考に、衝動と最善のバランスを取り、感覚として決断し、それに続く行動の決定をしていく。
相手との相互関係が続く間、何度も繰返され、脳の中では円滑な社会生活を送る上で決定的に重要な情報処理が瞬く間に行われる。
「表の道」の選択
超スピードのミラー・ニューロンで結ばれる「裏の道」は第六感のようなもので、思考に邪魔されずに他者の気持ちに寄添い、共感に繋げる。
結果として、不快で嫌な気持ちになる事もある。
眼窩前頭皮質は最初に情動反応を示す「裏の道」の回路とメッセージをやり取りする一方で、同じ情報を「表の道」の回路にも送り、情動反応の正否に対する思考を促す。
眼窩前頭皮質は「表の道」の思考により、「表の道」と「裏の道」の切替えスイッチの役割を果し、融通の利かない「裏の道」の働きに大幅な柔軟性を与え、社会的感覚を齎す。
合理的でも納得できない
納得という作業は前頭前野を中心とする「表の道」と偏桃体を中心とする「裏の道」の綱引きの結果得られるものだ。
「裏の道」の反応が活発であれば、非合理的な反応になり、「表の道」が活発であればバランスのとれた結論がえられる。
「裏の道」は合理的でも納得できない神経回路である。
衝動にブレーキをかける能力
眼窩前頭皮質には偏桃体が喚起した情動の波を制止できるニューロンが配置されていて、大脳辺縁系の衝動である御し難い情動の源である偏桃体を〔上位下達〕式で抑制する働きがある。
生身の人間と接する場合、我々は相手と心を結び合い、表情や声の調子から刻々とフィードバックを得て、前頭前野がバランスの取れた判断をして眼窩前頭皮質を通じて偏桃体を制御する。
よく考えてみると
視覚から入った情報が「裏の道」を通って偏桃体が超スピードで自動的に情動の神経回路を活性化する。
次に、同じ情報が眼窩前頭皮質を通って前頭前野に送られ、前頭前野はバランスの取れた判断に基いた情動を眼窩前頭皮質に送り、前の情動を止め新しい情動を偏桃体に送る。
偏桃体は前頭前野が発した情動の神経回路を活性化させ、我々は正しい感情に至る。
例えば、苦手に対する修正・状況の慎重な見直し・対応を拙劣から有益への変換等人生にも応用が利く他、自身の望まない感情の伝染さえも防げる。
人生において遭遇した様々な局面において、最初の選択肢を提示するのは「裏の道」であるが、最終的に行き先を決めるのは「表の道」であるから前頭前野を鍛えねばならない。
「裏の道」改造計画
恐怖は学習により身に付き、偏桃体を中心とする神経回路の細胞が活性化により記憶蛋白質が生成され、同様の経験で記憶の科学的性質が更新される。
最終的な記憶の科学的性質で生成される恐怖によって発症する恐怖症は生涯続き、持つ人は避けようとし、想像するだけで頭が一杯になる。
その恐怖症も「表の道」が「裏の道」に理性を齎し、偏桃体の細胞で再プログラミングが起き、最初の恐怖による条件付けが除去されていく。
この「裏の道」を再プログラミングする事が心理療法の主任務であり、怒りや悲しみも同様に克服できる。
社会脳
千億のニューロンが百万兆ヶ所で結び付く頭脳で社会相互関係を司る機能を活動分野毎に分類し、その総称を社会脳と言う。
脳に満足感を与え、消化管の働き(消化酵素の分泌や腸の運動等)を調整するセロトニンに代表される如く、複雑な頭脳の働きにも省エネ傾向を以って機能すると推定される。
様々な活動に関る「社会脳」を象る神経細胞が他人との相互関係に対処するというような課題に直面すると脳内のあちこちに散在する「社会脳」のネットワークが1つに纏まって機能する。

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