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zoom RSS 第10章 遺伝が全てではない

<<   作成日時 : 2007/10/20 09:43   >>

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内気な性質は、より興奮しやすい偏桃体の神経伝達パターンを遺伝的に受継ぎ、抑制になる。
うつ病のような疾患にみられる気質の形成には心理学的要因よりも生物的要因が大きい。
遺伝化学の進歩は気質や習性の発現におけるDNAの働きを明確にし、神経科学の発達は神経回路の不全に起因する精神疾患を明らかにし、脳内化学物質の乱れで過敏から反社会的人格障害の萌芽までの気質が発現するかが解明されだした。
アル中ねずみ
クローンのアル中ねずみを同一の手段を使って三ヶ所で実験をした所、三ヶ所三様の結果が出て、その行動はDNAのみでなく他の諸要因に影響される事が判明した。
遺伝子の発現とはDNAからRNAへ遺伝情報が転写され、そのRNAが運んだ情報を基に蛋白質が合成されて、その結果、生体に特有の傾向が表れる事だ。
人間の持つ約3万の遺伝子の中には、胎児が発達する時期に限って発現しその後は永久に不活性化するものがあるし、一生を通じて発現の活性化と不活性化を繰返したり、個別の臓器でしか発現しない遺伝子もあり、その有様の解明はエビジェネティクス(後天的要素が遺伝子発現に及ぼす影響)の研究者に強い一石を投じ、その研究対象は生物を取巻く環境も特定の細胞に対する科学的環境として遺伝子に影響を及ぼし、その発現比率を決定する要因となりうる事を示した。
中でもメチル基が関係するメカニズムは、遺伝子の活性化と不活性化を決定するだけでなく、活性化の程度まで決定し、更に脳内で千億以上のニューロンがどこへ伸び、どのニューロンとけ都合するかにも関与し、メチル基が脳も含めて人体全体を形成している事が分った。
単に特定の遺伝子を持つのみでは形質は決まらない。
例えば、人間が口にする食物には色々な遺伝子の働きに影響を及ぼす物質が何百も含まれ、身体に良くない食物を長年に亘り摂取し続ければ心臓病等を引起す遺伝子の組合せを活性化させる場合もあり、反対にブロッコリを食べそれに含まれるビタミンB6が摂取されるとトリプトファン水酸化酸素が活性化してアミノ酸の一種のL−トリプトファンを経由して最後に気分を安定させる脳内化学物質ドーパミンの合成が促進される。
上述した如く遺伝子は元々内分泌系が出すホルモンや脳内物質を含む周囲の環境から発せられるによって働きが調節されるように出来ていて、人間の相互関係からゲノムの活性・非活性に無視できない深大な影響を受ける事は明白だ。
詰り、精神的に安定した子供や共感能力に優れた子供を育てる為にはそれに必要な遺伝子を持つのみでなく、適切な子育てや社会経験を要するという結論を得る。
愛されると賢く育つ
人間の脳は脆弱(脆弱さの一端は、周囲の環境へ敏感に情動チューニングしてしまう)かつ複雑な臓器で、蓄積された経験に応じて変化でき、それは人によって異なる。
人間の脳は誕生直後400gで、生後24ヶ月で1kgになり、成人で1.4kgになる。
子供が出会う重要な人間(両親・兄弟姉妹・祖父母・教師・友人等)を始めとする社会的要因は脳の発育に大きく影響し、1番影響を受け易いのは0〜2才の間で、それは成人まで続く。
社会的エビジェネティクスの観点で、生後2年間の急生長期以降も人生で経験する重要な人間関係によって、脳を始めとする全身の機能を左右する各遺伝子の活動レベルが決定されていく。
ある遺伝子を持っていても、その遺伝子が生体機能を特定方向へ導く蛋白質を全く作らないとしたらその遺伝子を持たないのと同じで、遺伝子発現が弱ければその遺伝子の力は小さく、最大レベルで起こるならその遺伝子の力も最大となる。
例えば好戦性遺伝子を持つ子供が温和な家庭に養子に貰われた場合、その遺伝子の発現率は13%に対し、攻撃性が野放しにされている家庭に貰われるとその発現率は45%であった。
人間関係をエビジェネティクスの観点で見れば、子供がどれだけ豊かな愛情を受けて育つか、或いは反対に育児放棄され愛情を受けずに育つかは遺伝子発現に大きな影響を及ぼすだろう。
実験用マウスを使って、子育てが子供の遺伝子発現に決定的影響を及ぼす事が分った。
マウスの発達過程において生後12時間迄に限ってある重要なメチル化プロセスが起きる。
その間に母マウスが子マウスをどれだけかいがいしく舐めて世話するかで、子マウスの学習能力とストレス耐性を一生に亘って左右する脳内化学物質の生成量が決まる。
かいがいしい世話を受けた子マウスは成長過程で海馬の細胞が緻密に結合して頭がよく周囲の状況を把握する能力に優れストレスに直面しても動揺し難く回復能力も優れていて勇敢になり、受けないのはニューロン間の結合も弱く頭の働きも鈍くなり恐怖に圧倒されやすくなり、その影響はその子育てに迄影響する。
生後間もない時期に母親から完全に引離された場合、マウスの防御遺伝子に以上が起き脳内にストレス起因の有害分子が発生し易くなり、びくびくと怯え易いような発達障害に陥る。
「生まれ」か「育ち」か
マウスの実験で分った事は人間の家庭環境の大切さを類推させるのに十分ではあるけれども、それを立証させるには問題は複雑すぎ、まだこの研究は緒についた所だ。
神経回路を育てる経験
脳と脊髄には幹細胞があり、それが1日に何千と言うスピードで新しいニューロンになる。
新しく作られたニューロンは、脳内の決まった場所へ移動し、一ヶ月程かけて脳内各所のニューロンと1万以上の神経結合を作り、その後4ヶ月程で結合を確実にし、固定される。
結合の要件は、近々の5、6ヵ月間に経験する内容で異なり、同じ経験を数多く繰返される程習慣が強化され、それにより作られる神経結合が緻密になる。
脳内の各神経系には、夫々回路形成の過程が経験から最も影響を受け易い感受期があり、感覚系は幼年期の早い時期に粗形成され、次に言語へ移り、海馬等は一生を通じ経験から影響を受けながら変化うるが、「表の道」の主役前頭前野における神経回路形成は20年に亘り人間関係(子供時代に濃密な人間関係を味合えば、それは脳の回路に深く刻まれ、脳内で自動的な経路【紡錘細胞は生後4ヶ月ごろに主に眼窩前頭皮質前部帯状回へ移動して、何千もの他の細胞と家庭内のストレスや愛情溢れる温かい雰囲気等から影響を受けて結合を作る事が分っている。】となり成人後の人生において強い影響が残る)から影響を受ける。
脳に情動刺激が到達すると前頭前野が働いて反応しようとし、遺伝子が人生経験の影響を受け乍神経回路を形成していく過程により、その人の若い頃の方が年をとってからの方が可塑性に勝るが情動刺激にどれ程迅速・敏感に反応するか、回復に要する時間等の情緒的スタイルが決まる。
母親と赤ちゃんが「いない、いない、ばあ」をしている場面で考える。
母親が顔を隠したり見せたりを何度か繰返す内に、赤ちゃんの興奮は次第に高まる。
頂点に達すると、赤ちゃんは唐突に母親から顔を背け、ぼんやりと宙を眺めて親指を吸う。
これは赤ちゃんが自分の神経を鎮める為に休憩しているサインと知ろう。
ここでこの赤ちゃんの仕種に対して母親が情動チュウニング出来るか否かで、作られるニューロン及び神経結合が異なり社会脳形成に影響が出てくると考えられる。
「内気な子供たち」のその後
内気な性質を示す神経的指標の1つは「丘」(感覚皮質の一部で、偏桃体が変則的なものや脅威となる可能性を感知した時に活性化する)の活動が通常より活発な事だ。
この神経回路があまり敏感でなければ積極的で社交的な性格となる。
内気な子供を親が勇気付けて多少無理にでも同年齢の子供達と遊ぶよう仕向ければ内気な気質はその侭(偏桃体や丘は相変らず過剰反応を示す)だが、脳の対処法(新奇な刺激と正面から向合えるようになり、外観では内気が分らなくなる)が変わり、積極的になれる。
脳の回路が一旦出来上がると、繰返し使用されて結合が強まり、それを神経の骨格形成と言う。
これは雅に「表の道」を使って「裏の道」を抑え込んだ例だ。
この「裏の道」は注射の恐怖・水の恐怖等がある。

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