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zoom RSS 第12章 幸福を感じる能力

<<   作成日時 : 2007/10/26 16:22   >>

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子供は兄や姉、遊び仲間、或いは親が夫々に自分の中で起った情動の嵐に対処する様子を見て、ミラーニューロンの働きにより眼窩前頭皮質にリハーサルさせて学習し、この学習の積み重ねにより眼窩前頭皮質の回路は情動の波をコントロールする力を付けて行く。
4〜5歳になると子供は単に情動の波をコントロールするだけではなく、「表の道」も参加して不快の原因は何か、解決法は等を考え出し、その時期までに親が適切な指導を心掛けていれば、情動をコントロールしたり人間関係の難しい局面を円滑に処理する能力要請に役立つ。
例えば、夫も妻も相手の言い分に耳を貸さず、怒りや軽蔑をあからさまにし、対立が激しくなって自分の殻に閉篭る様を見せていると、友達と遊ぶ時に親達のパターンを真似て強硬な態度を見せ、怒りや敵意をあらわにし、相手を苛めるようになる。
対照的に、意見が対立した時も互いに温かい態度や共感や相手に対する理解を失わず、子育てにも2人で協力して取組、ユーモアを忘れない夫婦の子供は、友達と仲良く出来、意見の相違も建設的に解決できるようにそだつ。
全てが巧くいけば、「肯定的情動中核」の構築、詰りストレスに強く、感情の揺れから回復し易く、他者と巧く情動チューニングできる情動コントロールが育成される。
上記の結果を齎すには社会的知性の高い家族が必要だ。
しつけのスタイル
社会的知性が形成される1つの場面は、子供が腹を立てたり混乱に直面して親の顔を見る時だ。
子供は親の口から出る言葉だけでなく、親の態度全体を見て、そういう場面で何を感じどう反応すべきかを学ぶ。
こういう機会に親が子供に向けて発するメッセージが積重なって、子供は自分自身に対する評価や周囲の人間との付合い方(何を期待すべきか)を身に付けていく。
何か事件が起きた時、親が境界線を引いた上で子供のエネルギーの適切なはけ口を見付けてやるというアプローチは、親子の間に情動チューニングに基く愛着を築くしつけ方の代表例だ。
子供は2〜10才に掛けて、精神的発達を遂げながら「いやだ。」と反抗するようになる。
子供時代を通じて、眼窩前頭皮質徐々に成熟するが、5〜7才位に神経が急成長して、この回路に自制能力も加わる程機能する。
20代半ばまで知的・社会的・情動的な発達は続き、夫々を司る脳は成熟する。
事件が起きた時、先ず子供を見て怒り、次に後ろめたく感じ、子供に失望する親は子供と、心の繋がる場面と伴に楽しみを共有する瞬間が無いので子供は肯定的情動を抱く能力が低い侭成長し、びくびくと怯え易く、感情を外へ出すのが苦手で、パートナーとの絆を深めるのに必要な感情を表現せず、情動的に親密な関係を築く事すら避け、他者との関係を求める事が苦手な人間になる恐れが大きい。
こういう親は、温かく愛情溢れる面を見せる事もあるが、それよりも子供に対する不満と拒絶のシグナル(嫌悪や軽蔑の表情・視線を避ける・怒りや断絶を表すボディ・ランゲージ)を送り、子供は繰返し傷つき、屈辱を味わう。
こういう親に育てられた子供は、コントロール不能な情動に翻弄されやすく、衝動が抑制できずに荒れ狂い、何時もトラブルを起す典型的な問題児になる。
この原因は衝動にブレーキを掛ける能力である眼窩前頭皮質の発達不全のようだ。
心のどこかで親に自分の方を向いて欲しいと願い続け乍、自分は大切に思われていない、何をやってもだめだという感覚を抱くと、子供は絶望してしまい、自分の事を駄目な人間と思い込む。
大人になっても、彼らの親しい人間関係には愛情への切望とそれが叶わないのではという強い不安の両面を持ち、完全に無視され捨てられてしまう事への非常に深い危惧を抱いている。
遊びの効用
子供には「安全基地」即ち自分を癒してくれる人間関係も必要だが、それに加えて「安全な港」即ち自分の部屋や家のように広い世界を探求した後で帰ってきてほっとできる場所も必要だ。
子供が「安全な港」を持つか否かは、遊びに出て行く積極性の有無を見ればわかる。
楽しく遊ぶという行為には、遊びに没頭する中から様々な社会的スキルを獲得する利点がある。
例えば、権力争いを話合いで解決し、互いに協力して味方を作り、潔く負けを認める等の経験を通して、子供は社会的な知恵を身に付けて行く。
安心感に包まれてのびのび遊ぶ中で、失敗も大笑いで終わるようにあれこれ心配せずに新しい事を試し、子供の知恵は育っていく。
遊びは社会的エピジェネティクスの1つで、偏桃体と前頭前野における神経回路の成長を促し、遊びの間に脳内で特別な化合物が作られ、それが子供の脳内で急速に発達中の社会的領域における遺伝情報の転写を促し、子供達の「遊びたい」という要求を正当化した。
子供の遊びには信頼できる保護者に見守られているという安全な空間を必要とし、その中で脅威や不安や危険と向合い、課題を無事に潜り抜けて新たな空間を創造する。
1人より2人で遊んだ方が楽しいのは、全ての哺乳類に刺激されると大笑いしてしまう「くすぐったい場所」があるが、そこを他者が刺激すると遊び好きと大笑いが喚起される。
遊びの楽しみを司る回路は、くすぐったりのネットワークに密接に繋がっていて、これが社交性の基となっている。
異常に活発で、衝動的で、集中力に欠け、次から次へと活動を変えていく注意欠陥・多動性障害の子供達に対しては、先ず朝一番で好きなだけ遊ばせてエネルギーを発散させる事が肝要だ。
脳のレベルで言えば、遊びに費やされた時間は、神経やシナプスの成長を齎す。
遊び好きで陽気な雰囲気は、一種のカリスマ性を醸し出し、人は遊びの経験が豊富な人に群り、そこで働く社会脳の内、原始的な部分がこの「裏の道」の神経回路にルーツを持つ。
遊びの回路は不快感情(不安・怒り・悲しみ)の回路には勝てない。
喜びを感じる能力
陰気な人陽気な人を問わず、情動の基準値は驚くほど安定している。
辛い気持で頭が一杯になっている時、人の脳内では偏桃体と右側の前頭前野が、陽気な気分の時はこれらは沈静化し左側の前頭前野の一部が、腹立ちの時は右側が、気分の良い時は左側が最も活動的になる。
幸福感は情動の波を克服して平静で幸福な気分に戻る事の出来る心の回復力に支えられ、毎日を上機嫌で過ごしている人達の脳は左側の前頭前野のが活発になる。
心の回復力
子供がおろおろするような状態に遭遇した時、親が「別の角度から見る」事を教えてやれば、子供は不快な情動を解消する万人共通の方法を学習できる。
親が少し手を貸して、子供は困難な局面に陥っても明るい面に目を向ける工夫を覚えていく。
神経レベルでは、こうした学習成果は深いストレス管理する眼窩前頭皮質の回路に取込まれる。
心の動揺を経験しその対処法を身に付けれたかとうかは、新しい集団に入った時のストレス・ホルモンのレベルに顕れ、十分に身に付いていれば適応して心が回復するに従って低下し、身に付いていない場合は生理的にも中々順応せず、神経が過度に興奮したままの状態が続く。
適度な恐怖
ストレス体験は適度な範囲ならば、発達期の脳にとって脅威を克服し平静を回復する方法を学習する有益な機会になり、それを克服した経験は神経回路に刻み付けられ、大人になってストレスに直面した時に回復力の強さとなって表れる。
恐怖から平静へという経験を積重ねて心の回復力を支える神経回路が象られ、情動をコントロールする大切な能力が育つ。
荒れた家庭生活の現実として対処できない程大きなストレスを繰返し体験した子供は脳が恐怖を克服する学習もできず、恐怖を克服する所か、恐怖反応そのものが喚起され強化される神経回路が象られ、強化されて成長後にうつ病や不安障害を発症する事もある。
社会脳は、恐ろしそうな場面でも平静を保っている親の姿を見て、それを手本として模倣し、学習する。
子供時代のこうした基礎的学習の成果は一生続き、社会に対する基本的スタンスだけでなく、成人してからの愛情関係に巧く対処していく上でも効果を発揮する。
そして、愛情もまた、人の脳に永続的な刻印を残す。

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