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zoom RSS 第16章 有毒な社会環境のストレス

<<   作成日時 : 2007/11/04 04:59   >>

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人間関係は喜びを齎すと共に、苦悩の源ともなり得る。
人間関係が自分の心の支えになっていると感じるならば、健康に良い影響を及ぼす。
万人の万人に対する闘争
ストレスに晒されると、副腎の働きで傷を短期間で治癒させる等肉体に様々な影響を及ぼすコルチゾールが放出され、緊急事態に備える為のホルモンが体内に充満する。
通常でも人体には適正レベルのコルチゾールが必要で、このホルモンは代謝を促進したり免疫系を調節したりする働きを担っている。
コルチゾール及び関連するホルモンの慢性的な高濃度は心臓血管疾患や免疫機能障害を引起し、糖尿病や高血圧を悪化させ、海馬のニューロンを破壊して記憶障害を起しさえする。
その上、偏桃体を刺激して恐怖を司る神経の樹状突起の成長を促し、偏桃体から送られてくる恐怖信号をコントロールする前頭前野の働きを阻害する。
即ち、コルチゾールの過剰分泌は、調子の狂った海馬は学習能力が低下し、関係のない現象に迄恐怖の対象を広げ、偏桃体の回路も猛り狂って過剰反応を起こしても機能が阻害されている前頭前野はその調節もできず、偏桃体が暴走して恐怖を喚起する一方で、海馬が何でもかでも間違って脅威と認識してしまうという神経系に三重の影響を及ぼす。
ストレスと健康の関係で中心的役割を果すのは、SNS(交感神経系)とHPA(視床下部−脳下垂体−副腎)系で、ストレスに晒されると両神経系が働き、緊急事態や脅威に備えるホルモンの分泌が始まり、免疫系や内分泌系等に負担が掛り、健康にとって重要なシステムが弱まる。
この2つの回路は、深いストレスや幸福な気分等の情動の変化によって開閉する。
人間の情動は情動の伝染等により他者から大きな影響を受けるので、ストレスと健康の問題は本人の枠を超えて人間関係へと広がり、人間関係の不調が何年も続いて生物学的ストレスのレベルが上昇し、それによって病気に掛り易くなる等症状の悪化等に注目したい。
侮辱の毒性
侮辱されて黙って耐えている人達には血圧の大幅な上昇が見られる。
自分を見下すメッセージを我慢し続ける内に無力感や不安感が強まり、最後には憂鬱になる。
こうした気持が長期に亘って続くと、心臓疾患を発症する可能性が著しく高まる。
こうした侮辱に耐える場面を提供する喜怒両面感情を持たされる相手として、職場の上司・支配的な親・直に怒り出す恋人・競争心を抱く友人等が挙げられる。
両面感情を伴う人間関係は、合う度にどういう展開になるか予想がつかず、いつ何が爆発するかも知れないので気を緩める事ができずに情動面での負荷をもたらす。
有害な人間関係が続くと、免疫系からTリンパ球が分泌され、一方で血管壁からTリンパ球を結び付ける物質が分泌されて、動脈の内皮でプラーク形成が始まり、その連鎖反応で心臓疾患に至る可能性が大きくなる。
有害な人間関係は健康に悪い
ライノウィルスを使って風邪に被患の有無を調べると、風邪に掛ったのは4割の人だが、それらからの分析結果から、有害な人間関係はビタミンC不足や睡眠不足と同程度に健康に悪い事が分り、その内最も悪いのが孤独であって、社会的繋がりの多い人に比して4.2倍であった。
生き生きとした人間関係は気持を明るくし、不快な事を忘れさせ、コルチゾールの分泌を抑制し、ストレスに対する免疫機能を高めてくれる。
人間関係そのものが、他人との付合いによって齎されるウィルス感染の危険から人体を守る。
悪意を感じるときのストレス
様々なストレスの中で群を抜いて悪性度が高いのは、他人に見られつつ判断を下される、厳しい批判に晒されながら何の手も打てない状態に置かれる事で、人間にとって基本的な受容及び所属の欲求である社会的自我を脅かされるからだ。
他人の評価ある無しで、コルチゾールレベルは三倍にもなる。
自分が他者からどう見られているかというメッセージの蓄積によって形成される社会的自我の喪失を意味する他人の目の前で自分の地位や名望が脅かされるという状況は生物学的に非常に強い影響を及ぼすストレスで、生命の危機に匹敵するほどのストレスだ。
そのストレスに晒されると思うだけで同等のストレスを生じる。
無力感も、ストレスを更に大きくする。
批判、拒絶、嫌がらせばかりが続く人間関係を抱えているとHPA系は常に暴走状態になる。
人間の意図が絡まないストレスを受けた場合のコルチゾールの分泌量の上昇は40分以内で収まるが、不快な社会的評価がストレスの原因となっている時はコルチゾールのレベルが正常値に戻るまでに5割程延び、大体1時間以上掛る。
一九五七年の卒業生
左前頭前野は不快ストレスからの回復する速さ(心の回復力)を左右する「裏の道」の回路を制御するが、その活動が活発であればあるほど、情動をコントロールする能力に優れ、不快情動からの回復も速く、コルチゾールも速やかに正常値に戻る。
厳しいストレスに晒されて子供時代を送った人は、大人になってもストレスからの回復力が弱く、一旦心が動揺すると、その状態が長く続く。
「安全基地」を与える大人に育まれて、対処可能なレベルのストレスを経験しながら成長した人は、大人になった後「表の道」が「裏の道」をコントロールする学習ができていて左右の前頭前野のバランスが取れていて、回復力も速い。
介護のストレス
アルツハイマー患者の介護をしている人は、絶間ない繰返しのストレスに晒されているようなもので、同年齢の他の女性達に比べてリンパ球の形成を促し、体内に侵入したバクテリアを壊すナチュラルキラー細胞やマクロファージの働きを活発にする遺伝子(GHmRNA)の発現が50%も少なく、ストレスの少ないグループと比較して小さな傷が治癒するのに9日も長く掛る。
免疫機能低下の主因は、コルチゾールの前駆物質でありHPA系が暴走した時に放出される重要な免疫因子インターフェロンの生成を阻害し、リンパ球の反応を鈍らせるホルモンの一種ACTHが原因ではないかと考えられる。
社会から孤立して介護に明け暮れる毎日のストレスが原因で脳がHPA系をコントロール出来なくなり、GHmRNAのような免疫遺伝子の働きが弱り病気と戦う役割が果せなくなる。
又、過酷なストレスの代償は介護者のDNAそのものを痛めつけ、細胞の老化速度を速める結果に繋がり、看病の期間が長ければ長い程細胞レベルでの老化は進む。
老化の速度は、白血球内のテロメア(細胞内にある染色体の末端部分)の細胞が分裂し複製する度に少しずつ縮んでいくので、長さを測定して分る。
分裂を10〜50回繰返すとテロメアが短くなって細胞はそれ以上分裂できなくなり、それが細胞の寿命であり、遺伝学的に身体活力を測定する基準でもある。
テロメアの長さを測定してみると、介護に疲れた母親は平均して同じ年の女性に比して生物学的に10才程老化が進んでいたが、周囲からのサポートを十分受けていると感じているケースだけは例外で、看病の大変さは変わらないが、細胞レベルで見れば老化はさほど進んでいなかった。
人々が社会的知性を持ち寄れば、介護の圧倒的な負担を柔らげる事もできる。
その社会的知性に養護を感じ取るせいであろう。

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