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zoom RSS 第19章 最高の力が出るスイートスポット

<<   作成日時 : 2007/11/13 13:42   >>

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不安は精神を疲れさせ、学習を邪魔する。
疲れた時の脳の反応は、非常事態に備えようとする肉体の反応を反映している。
ストレス下に置かれると、肉体を危機と対応させるべく、HPA系が急激に覚醒する。
これに伴って様々な生物学的反応が起こる中で、前頭前野に代って偏桃体が主導権を握る。
偏桃体は反射的に働くので、「裏の道」が主導権を握っている間、思考する脳の出番は無い。
思考する脳ではスピードが遅すぎるのだ。
脳の意思決定が「裏の道」に委ねられると思考能力が落ちる。
プレッシャーが強ければ強い程、人間の能力や思考はうまく働かなくなる。
偏桃体が優勢に働いている間、ワーキングメモリに情報を一時的に貯め・柔軟且つ創造的な反応・意識集中・効率的に計画し組織すると言った能力は全て低下して、神経化学で「認知障害」と呼ばれる状態となって、学習能力は低下する。
これと反対極にある脳の状態が最高の能力を発揮できる状態をスィートスポットと呼ぶ。
最大調和状態
学習の喜びは、共通して見られる要素の全意識の集中・熱烈な興味・情動面の良質な緊張感全てを伴う「極上の学習」が成立した瞬間に訪れる。
行動能力により大きな余裕が生まれる高揚した緊張状態である極上の学習が成立する瞬間は生理学的に最高のバランスが保たれ、生命活動が円滑に行く状態で、楽しみを感じる事は、単に日々の退屈をやり過ごす手段ではなく、人間が能力を発揮し、十分に生き、満足する為に必要だ。
その時、人間の機能が望ましい調和を保ち、課題が何であれ力量や自在性が増し、精神作用を司る神経ネットワークにおいて「最大調和状態」と呼ばれる同様の状態となる。
この状態で余裕・効率・速度・力量等、全てが最高の状態になり前頭前野が最も活性化する。
そして、創造的思考・知的柔軟性・情報処理等の能力が高まる。
逆U字型グラフ
知的能力と気分の関係をグラフに書くと逆U字型になる。
逆U字の形は、学習能力や遂行能力に2つの異なる神経系が関係している事を示す。
どちらも、集中や意欲の高まりにつれて、グルコ(糖質)コルチコイド系が活発化すると、次第に覚醒の度合いが強まる。
積極的な気分は適度なコルチゾール分泌を促し、健全なレベルのコルチゾールには、課題に取組むエネルギーを生出す効果を齎し、学習能力を向上させる。
学習能力や遂行能力の最高点を超えてストレスが増大し続けると、2つ目の神経系が働いて恐怖を感じた時に分泌されるノルアドレナリンを分泌して、パニックへ向かう下り坂が始まって、この先はストレスが増大すればするほど学習能力や遂行能力が低下する。
不安を強く感じると、脳は高レベルのコルチゾールとノルアドレナリンを分泌し、学習や記憶の神経メカニズムが円滑に機能せず、これらのストレスホルモンが一定レベルに達すると、偏桃体の働きが活発になり、前頭前野の働きが抑制され、偏桃体が喚起する衝動を抑えられなくなる。
不快ストレスを感じていると集中力が不安の方に向いてしまって、明晰な思考能力を失うに留まらず、重要な目標に取組む興味さえ失ってしまう。
「表の道」はストレスがやや低めの時に最も円滑に機能し、「裏の道」はストレスが極大になった時に主導権を握る。
不快ストレスは学習を阻害する
逆U字型がどこから下降し始めるかは、「表の道」の能力を低下させずにストレスに耐えれる人からHPA系が興奮し易く低レベルの不快ストレスでも凍り付いてしまう人迄様々だ。
中脳で偏桃体の近くにある海馬は、ワーキングメモリを長期保存の形に書換える働きをする事によって、その情報を記憶しておけるようにする事によって、学習で中心的役割を果す。
記憶の維持には、その為に脳が新しいニューロンを作り、他のニューロンとシナプス結合をする事が必要で、その大半が海馬で行われている。
海馬はコルチゾールの悪影響(コルチゾールが海馬のニューロンを攻撃し、ニューロンの新生が不活発になり、総数が減り、学習に甚大な被害を齎す。)を受け易く、不快ストレスに弱い。
コルチゾールは海馬の働きを阻害する一方で偏桃体を刺激し、注意が情動の方に向いてしまう。
コルチゾールレベルが低位から中位の時に記憶力は向上し、非常に高いと記憶は皆無となる。
上に立つ者の情動感染力
リーダーが計算づくの結果不満の表情を垣間見せるならば部下に渇を入れる効果が期待できるが、単純に怒気を発散させるだけならばリーダーとして自滅的だ。
リーダーが部下の意欲を引出す為に習慣的に不機嫌な顔を見せる作戦を使うと、仕事の成果は上がるかもしれないが、それが必ずしも良い仕事に結び付くとは限らない。
リーダーが常に不機嫌では部下達の気分が荒み、脳は最高の力を発揮できなくなる。
良質な交流があれば、部下はリーダーの関心と共感、支援と確信を感じ取る事ができる。
部下は上司との不快なやり取りの方を、愉快なやり取りよりずっと鮮烈に記憶し鮮明に思い出す。
上司の心無い言葉は、いともた易く部下の士気を挫き、それはあっという間に職場に広がる。
良い上司、悪い上司
最高の上司は、信用でき、共感を示し、部下と心が通じ、部下を落着いた気分にさせ、正しく評価し、やる気を起させる。
最悪の上司は、よそよそしく、気難しく、尊大で、部下を不安にさせ、部下の恨みを招く。
人間にとっての最初の「安全基地」は子供時代の保護者であり、その後成長に連れて様々な人が役割を引継ぎ、学校では教師、職場では上司がそれにあたる。
上司が「安全基地」でいてくれると感じられると、部下はより自由に冒険し、遊び心を発揮し、リスクを冒し、革新的な試みを取入れ、新しい挑戦に立向おうとする。
但し、子育てと同じで、リーダーは部下を過保護にしてはいけない。
緊張やストレス等仕事に伴う当然のプレッシャーに耐える事によって回復力が育つからだ。
回復力が強く、意欲が高く、能力の優秀な部下が揃っている場合には、リーダーは多少の無理をさせて高い達成基準を要求しても良い結果が得られる。
子供が成長する過程で、心の痛みを避ける事はできない。
同様に、組織においても解雇や理不尽な押付け等情動面で不快な局面は当然付きまとう。
上司、同僚、作業チーム、職場の友人、組織そのものの存在によって、どこかに「安全基地」を見出す事はできる。
職場に対する親近感や満足感の大部分は、上司、同僚、顧客等との間で日々積重ねていく何百という相互作用の結果として生まれてくる。
職場の中で頼りにできる人が1人でもいれば、気分は随分違ってくる。
社会的知性の高いリーダー
社会的知性に優れたリーダーシップの第一歩は相手と全面的に向合い、波長を合せる所から始まる。
一旦相手と確り向合えば、相手の気持を察してその理由を探る事から、相手を肯定的な気分にする対応まで、一連の社会的知性を発揮する事ができる。
他者との関係において何をするにしても、それが正解かどうかを決めるのは、相手が逆U字型グラフのどこに修まるかという事だ。
人事管理は、表出しない感情の潮流を無視しては成立しない。
感情の問題は生身の人間に影響を及ぼすと同時に、人間の能力発揮にも影響を及ぼす。
情動は非常に感染しやすいものであるから、あらゆるレベルのあらゆるリーダーは、自分の対応によって事態が良くも悪くもなりうるものだと言うことを確り心に留めておく必要がある。
心の結びつき
学校(教師、他の生徒、或いは学校そのもの)と心の結び付を感じている子供はそうでない子供と比較して成績が優秀である。
こういう子供達は、現代の青少年を取巻く環境に対しても抵抗力がある。
心の結び付が確り出来ている子供は暴力、いじめ、破壊行為に走る割合が低く、不安やうつ状態に陥りにくく、薬物や自殺、無断欠席や中途退学の例も少ない。
ここで言う「心の結び付」とは、学校と情動面の繋がりか出来、「安全基地」を持つことだ。
教師の教え方を評価し、教え方によって落ちこぼれそうな子供達の学習成果がどの位違うかを調べた結果、最も結果が良かったのは、次のタイプの教師だった。
● 生徒と波長を合せ、生徒の欲求、気分、関心、能力に対応し、それに合った相互関係を育む教師。
● 楽しい会話や沢山の笑いと興奮で教室を快活な雰囲気にする教師。
● 生徒に対して温情と「肯定的視線」を示す教師。
● 生徒に対して明確且柔軟な期待と日課を示し、生徒が自主的に規則を守れるように工夫するなど、学級運営が巧い教師。
結果が最も悪かったのは、「我−それ」の姿勢で生徒の波長を無視して教師自身のやり方を押し付け、又は感情面で生徒と親しく関ろうとしない教師であった。
こういう教師は生徒に腹を立てる場面が多く、秩序回復に懲罰的手法しか取れなかった。
元々成績の良い生徒は、どんなタイプの教師でも影響は無かった。
良い教師は良い親と同じで、「安全基地」を用意して、教師は生徒の脳が最高の力を発揮できる環境を整え、「安全基地」は「安全な港」となり、生徒はそこから冒険に出発して新しい事を学ぶ。
生徒が不安をコントロールする方法を身に付け、注意を集中する事を覚えると、「安全基地」は生徒の中に確りと根付き、生徒は最高の力を発揮できるようになる。

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