自閉症療育の鍵を握るのはニューロンの持つ可塑性にある

自閉症の症状が現れるのは、前回お話しましたように小脳の制御が巧くいかないせいと考えられます。視症や臭球等の神経核の制御には成功している訳で、様々な感覚受容体からの電気信号はその第1次感覚野(視覚であれば後頭部)を経由して最後に頭頂葉にその神経伝達が行われた時に小脳による制御が行われるか否かで、健常児とは全く異なる症状を呈する訳です。

詰り、健常児であればあやされるような行為を周囲の大人がして、それに対して褒められた時に制御スイッチが入ります。自閉症児の場合、その制御スイッチを担当する規定の場所がない為に、その場所確保から始めなければならないと言う事になります。詰り、大脳の中で想像を絶する作業が行われていると言う事を知って下さい。実は、前回も話しましたようにミラーニューロンは生まれて8ヶ月の間に生成する神経核なのですが、自閉症と言う症状を周りが自覚するのがその大脳の大活躍期を過ぎてからと言うのが不幸の始まりです。子供をあやしてベビースマイルがどんどん出て、それに対応する神経の活性が弱くなってからその社会性を身に付けなければならない所にその不幸の全ての原因があると考えれば分り易いと考えます。

ですから、健常児とて社会性を獲得するのに大変な苦労をしているのですが、ものを言わず笑っている時だけの努力ですから大人としては何の苦労もしていないように感じているだけです。それにしても、規定の場所にスイッチがあるのと無いのは大違いで、その制御スイッチの代役を探すのに苦労しているのが自閉症と言う事になります。

親が色々と気を使って色々と働きかけるのは、そのスイッチ探しを手伝っていると言う事になりましょうか。実質の手伝いには本人の脳が苦労している方が遥かに量的には多いのです。反応が無いから、脳が動いていないので無くて、その間にも脳は火事場の馬鹿力を出して奮闘している事を理解して上げて下さい。

親としてできる事は思いやりを持つ存在として居る事しか出来ません。脳の中でどういう風に奮闘しているのか想像もつかないのですから。ですから、何も期待せず只見詰る存在で居るしか無いのです。

しかし、脳には可塑性があり、その力を利用すべく奮闘している間にいつの間にか反応が返って来るようになっています。それを信じて、黙って見守って上げて下さい。

この前の記事でニュースサイトから月周回人工衛星「かぐや」が月面に落下して粉々になる8分前までカメラを回し続けた記事をアップしました。イチローや安藤美姫の話も出していますが、それ位は軽く頑張っています。独り善がりで色々と親ばかで奮闘するのも良いですが、こればかりは本人任せにしなければどうしようも無いと覚悟を決めねばなりません。

社会神経核が出来ない代りに無限に可能性の有る頭頂葉空間を持っています。それを無駄にするのも、それを塵屑だらけにするのも回り次第と言う事です。可愛げが無いかも知れませんが、本人は無我夢中で大脳をフル回転している顕れと考えて接するしか無いようです。その我慢を卵畑さんはおばあさんと表現しています。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

はるぼん
2009年06月22日 17:42
卵畑さんの別館では大変失礼致しました。
Hbarさんのお言葉に甘えまして、こちらに書かせていただきます。
息子は現在9歳、4歳の時にASと診断されました。
特徴である、過敏さ、視線があわない、エコラリア、クレーンなどはありましたが、言葉においては独特な発達をしてきたと思います。
初語~就学少し前までは「形容詞・感嘆符」などの単語と、固有名詞(犬や猫の名前、しろとか、ぽちとか)が彼の言葉の世界でした。
これは「可愛げ」と言う事においては、大人に共感を与える言葉で、とても可愛がられました。(おいしーとか、きれー)
今はうるさいくらいお喋りさんになっていますが、この頃を思い出すとなんとも不思議なのです。
感情の吐露だったのか・・・?それとも脳内での言葉の取り入れ方が特異だったのか・・・?
Hbarさんならどういう風にお考えになるだろうと・・・こんな少ない情報では・・・と思いますが、よろしければ何かお気づきの事があれば、一言いただけると、親として考えるきっかけふくらみになると思いまして・・・
2009年06月22日 22:35
はるぼんさんようこそ。
本当は、我が子なら可愛いのが当然なのです。過敏さ、視線があわない、エコラリア、クレーンと別な言葉で表現していますが、外見上の問題だけで表現方法を変えていると解釈します。多分、はるぼんさんが愛情を持ってご苦労なさったから、片言の言葉を習得したと考えます。その断片がインデックスとなって言葉が溢れ出ているのです。NHK教育のサイエンスゼロという番組ご存知ですか。先端科学を紹介する番組なんですが、ビデオ取ってでもご子息に見せると良いですよ。本当に共鳴できるインデックスが見付るかもしれません。又、折に触れて色々と尋ねて頂ければ色々とヒントが出せるかもしれません。ご苦労ですが、子供の為にも勉強なさって下さい。本当の話し相手ははるぼんさんだけなのですから。
はるぼん
2009年06月24日 19:52
ありがとうございます。
診断を受けるまでは、目が合わない事もエコラリアも(ここが私がPDDの由縁なのかもしれませんが)全く気にならなかったのです。
診断後・・・の葛藤→その子らしさを生かすと言う考えになってきました。
ただ、らしさ。の追求にはやはり知恵や情報が必要です。(インデックスなんでしょうかね~?)
サイエンスゼロ。時々見ています。
これからは意識して見るようにして見ます。
小学4年にしてやっと外のものに興味が出てきたところなので、今ちょうど良いと思います。ありがとうとざいました。
2009年06月24日 20:09
囲碁も親子揃って覚えると良いですよ。一緒の奥深いゲームを楽しめるのは最高だと思いますよ。因みに私にとっての最高のインデックスは囲碁からのものです。

この記事へのトラックバック

  • なぜ「可愛げがない」のか。(2)

    Excerpt: なぜ「可愛げがない」のか。(1)の続きです。 Weblog: 『自閉症』『アスペルガー症候群』を考えるブログ。 racked: 2009-07-12 09:59